幼なじみの不器用な愛し方

情報解禁はまだだけれど、何やら忙しそうにしているから、今後も出演作は増えるのだろう。


「ツーショットはNGってことになってるんでしょ?」

「うん、必ず3人以上で。それに、両サイドを男子で固めて、やっと応じるってさ」

「徹底してんなー。ま、流出とかしたら大変だから仕方ねぇか」


ツジの言葉に、知らず知らずのうちに力強く頷いていた。


──あの後。

有斗のプライベートな写真や情報がSNSに投稿される──などということは起こらなかった。

あれからメグちゃんと顔を合わせることはなかったし、わたしはただ最悪の事態にならないことを祈るしかなかったのだけれど、有斗を取り巻く環境は幸いにも変わっていない。

彼女のしたことを許すことは到底できないけれど、超えてはならない一線を超えずにいてくれたことには感謝したい。


遠巻きに有斗のいる方向を眺めていると、


「美月先輩」


柔らかい声が風に乗って届いた。

とても久しぶりに感じる響き。

胸がいっぱいになるのを感じながら振り返ると、そこには、少しだけ髪が伸びた谷瀬くんが立っていた。