本当は……ほんとはね。
菊池と一緒に、もう1人、思い浮かんだ人がいたんだよ。
年下だけど頼りになって、あのメモのことも知っている。ここに彼もいてくれたら、どんなに心強いだろう。
自分勝手だけど、そんなことを思ってしまったんだ。
普通にしていたら、3年生と1年生なんてそんなに頻繁に顔を合わせない。
見かければ手くらいは振るけれど、それだけだ。
仕方のないことだってわかっているし、覚悟だってしていたけれど……仲良くなれていた分、身勝手な切なさが胸の奥の方でじんわり広がる。
……なんて、そんなこと、誰にも言えないけれど。
「秋山は短大だっけ? 実家から通うのか?」
「うん、そのつもり。菊池は4月から消防学校だよね?」
「あぁ。楽しみ半分、緊張半分」
菊池でも緊張するんだね、と言うと、苦笑いで返された。
すごいなぁ。人のために頑張るお仕事って、本当にすごい。
「神崎も実家から?」
「うん。通学に時間かかるから一人暮らししたらってマネージャーさんには言われてたみたいなんだけど、可能な限りは実家から通うって言って聞かなくて」
菊池と一緒に、もう1人、思い浮かんだ人がいたんだよ。
年下だけど頼りになって、あのメモのことも知っている。ここに彼もいてくれたら、どんなに心強いだろう。
自分勝手だけど、そんなことを思ってしまったんだ。
普通にしていたら、3年生と1年生なんてそんなに頻繁に顔を合わせない。
見かければ手くらいは振るけれど、それだけだ。
仕方のないことだってわかっているし、覚悟だってしていたけれど……仲良くなれていた分、身勝手な切なさが胸の奥の方でじんわり広がる。
……なんて、そんなこと、誰にも言えないけれど。
「秋山は短大だっけ? 実家から通うのか?」
「うん、そのつもり。菊池は4月から消防学校だよね?」
「あぁ。楽しみ半分、緊張半分」
菊池でも緊張するんだね、と言うと、苦笑いで返された。
すごいなぁ。人のために頑張るお仕事って、本当にすごい。
「神崎も実家から?」
「うん。通学に時間かかるから一人暮らししたらってマネージャーさんには言われてたみたいなんだけど、可能な限りは実家から通うって言って聞かなくて」



