「犯人を見つけるためってよりは、言い逃れできない証拠を手に入れるために置く」


え……それって……。

目を丸くするわたしに、有斗が小さく頷いた。


「確証はねーけど、心当たりがあるんだ」


有斗はそう言って、それから、ここからは自分に任せてほしいと告げた。


「俺としては、確実に証拠を掴みたい。だから……美月の見えないところで、そいつに興味があるフリをするのを許してほしい」

「え……」

「仮にも付き合ってる相手がこんなやつに近づくの、普通は嫌だと思う。俺だったらすっげー嫌だ。たぶんめちゃくちゃ怒る。わかってる」

「……うん」

「……でも、これが一番確実な方法だと思うんだ。勝手だって俺も思うけど……頼む」


罠を仕掛けると言うことだろうか。

有斗は終始、わたしの目を真っ直ぐに見ている。


「証拠が揃ったら、美月にもちゃんと言う。約束する。それまでは、信じて待っててくれねーかな」