「新年会とか何とか理由つけてるけど、忘年会でもまあまあ飲んでたよなあの人ら」


お茶を淹れるわたしの隣で空いたお皿を洗いながら、有斗が苦笑いを浮かべた。

仕事終わりに疲れてるだろうからいいよって言ったんだけど、遠慮すんなと買って出てくれたんだ。


「まぁいいんじゃない? たまの息抜きじゃん」

「揃いも揃って仕事人間だからなぁ」


揃える時に揃って楽しむ。

昔から、わたしと有斗だけが先に退散することも少なくなかったっけ。


「そうだ。美月、明日も登校すんの?」

「うん、そのつもりだよ」

「俺も明日は行こうと思ってんだよ。一緒に行こうぜ」


登校日と卒業式のリハーサルくらいしか登校しないと思っていたから、有斗の言葉に目を瞬かせる。

考えていることを読んだのか、有斗が洗い終わった食器をラックに立てかけながら言葉を続けた。


「ほら、今日共テだったじゃん。司と藤堂に、一旦お疲れって差し入れしようかと思って」

「へぇ! 有斗ってば、心許した人にはマメだよね」

「……それ、褒めてんのか?」