だってわたし達はずっと一緒だったから。

有斗のいちばん近くに、わたし以外の誰かがいるだなんて考えただけで叫び出してしまいそうになる。


「有斗に信じてもらえるまで、今度はわたしが伝えるから。有斗のことが好きだって」


有斗がゆっくりと顔を上げて、虚ろな目がわたしを捉えた。

そっと手が伸びてきて、今度こそ、わたしの手と大きな手が重なる。

熱い。熱が伝染する。でも、この熱が恋を錯覚させたわけではないと断言できる。


「おせーよバカ」

「うん。ごめんね」

「夢だったらどうしよう」

「夢じゃないよ」


有斗は自信家だと思っていた。

その認識は間違ってないと思う。

でもきっと、不安になることだって沢山あるんだ。

その要因が、有斗を弱くさせるのが、わたしなんだと思うのは自惚れかな。


「有斗、熱いよ。まだ熱あるでしょう」

「……うん」

「お粥食べて、薬飲んで。それで、元気になったらまた伝えにくるから。夢じゃないってこと、わたしが証明しに来るから」


だから。