本当に、今更かもしれない。

だけど、想いが溢れて止まらない。


「気付くのが遅くなってごめん。こんなになるまで気付けなくてごめん。でもわたし、有斗のことが好きなの……!」


一息に言った。言ってしまった。

頬から伝わる熱がわたしにまで伝染してしまったみたいだ。

有斗の反応が怖い。恐る恐る様子を窺おうとしたその瞬間、有斗は力が抜けたように床に座り込んだ。


体調が悪化したの!?

わたしは慌てて手を離し、有斗の正面に回り込んで顔を覗き込んだ。

有斗は真っ赤に染めた顔を片手で覆い、一点をぼんやりと眺めている。


「有斗……?」

「夢だろ」

「え?」

「こんな都合のいいこと、夢だろ」


有斗はやっぱり一点を見つめたまま、独り言のように呟いた。

顔も耳も赤い。熱のせいなのか、別の要因があるのか、わたしにはわからない。

だってきっと、わたしだって真っ赤っかだもの。


「有斗が特別だって気付く前から、有斗のいいところ沢山知ってるよ。現実だって思えるまで、わたし、いくらでも好きなところ伝えられるよ」