【わたしが行っても大丈夫かな?】


ばくばくと心臓が大きな音を立てているのを感じながら、メッセージを送る。

既読はノータイムでついて、返事はすぐに来る。


【何があったかは知らないけど、有斗がみーちゃんのこと嫌がるわけないから大丈夫】


心強い言葉が返ってきて、思わずじわりと視界が滲んだ。

かと思えば、【万が一、嫌がるようなことがあったら言って。ぶっ飛ばすから】なんてメッセージが追加で送られてきて、小さく吹き出してしまった。




地元のスーパーでスポーツドリンクやゼリー、お粥の材料を買い込んで、帰路についた。

有斗の家の合鍵はまだ持っているし、うちの鍵も有斗は持ったままだ。

念の為インターホンを鳴らしてみたけれど応答はなく、合鍵を使って神崎家へと足を踏み入れた。


中は静まり返っていて、わたしは初めて感じる緊張を感じながら2階にある新たな部屋を目指した。

大きく深呼吸をしてから、有斗の部屋の扉をノックする。


「有斗……?」


やっぱり反応はない。わたしは少しだけ迷って、それから何か色んなことに言い訳してから扉を開けた。