有斗がわたしを避けるようになってから、一度も投函されていなかったのに。

見覚えのある二つ折りの悪意に、くらくら眩暈がする。


見ない方がいい。

見たって、何もいいことなんてない。

そう思うのに、弱った心は理性を溶かした。


[ご愁傷さま(笑)]


全身から力が抜けた。

かくんと膝を折り、そのまま床にへたり込む。


なに、これ。

ご愁傷さま……って、どういうこと……?


メモを握る手がガタガタと震える。

目の奥の痛みを自覚すると同時に、視界が一気に滲んだ。

たった一言の悪意は、張り詰めた糸を断ち切るには十分だった。


「……っ」


漏れ出る嗚咽を必死に押し殺そうと口元を押さえる。

衣替えを終えたチェックのスカートに、ぼたぼたと涙が落ちた。


──どうしてこうなっちゃったんだろう。


傍にいるのが当たり前だった。

なんだって言える気楽な存在だった。

生まれてからずっと、一番近くにいたはずだった。

その心地良さに甘えすぎたから──わたしは、有斗を失うの?

こんなに悪意に満ちた紙切れで、ご愁傷さまなんて言葉を添えられて……?


遂に堪えきれなくなって、か細い声が指の隙間から漏れ出た瞬間、