もしかすると、この姿も見られているのかもしれない。
そう思うと少しぞっとしたけれど、他に実害があるわけではない。
変に有斗への対応を変えて勘繰られるのも面倒だし、気にしないようにして、今は静観するのが一番かなぁ……。
「美月せんぱーい」
お昼休み、教室でお弁当を食べていると、廊下から声がかかった。
聞き覚えのある声に顔を上げると、開けられた窓からこちらを覗き込む谷瀬くんの姿があった。
1年生だ……と周囲の視線を集めているものの、彼は臆することなくこちらに向かってぶんぶんと手を振っている。
「谷瀬くん! どうしたの?」
一緒にお昼を食べていた結子に断りを入れてから廊下に出る。
谷瀬くんとはすれ違えば挨拶をするし、時間があれば軽く言葉を交わしたりもするので久しぶり感は全然ない。
「美月先輩、週末試験って言ってたでしょ? だからこれ、渡したくて」
谷瀬くんが手を差し出してきたので、首を傾げつつも受け取る。
何かと視線を落とせば、そこには桜の刺繍が施された[合格祈願]と書いたお守りがあった。
そう思うと少しぞっとしたけれど、他に実害があるわけではない。
変に有斗への対応を変えて勘繰られるのも面倒だし、気にしないようにして、今は静観するのが一番かなぁ……。
「美月せんぱーい」
お昼休み、教室でお弁当を食べていると、廊下から声がかかった。
聞き覚えのある声に顔を上げると、開けられた窓からこちらを覗き込む谷瀬くんの姿があった。
1年生だ……と周囲の視線を集めているものの、彼は臆することなくこちらに向かってぶんぶんと手を振っている。
「谷瀬くん! どうしたの?」
一緒にお昼を食べていた結子に断りを入れてから廊下に出る。
谷瀬くんとはすれ違えば挨拶をするし、時間があれば軽く言葉を交わしたりもするので久しぶり感は全然ない。
「美月先輩、週末試験って言ってたでしょ? だからこれ、渡したくて」
谷瀬くんが手を差し出してきたので、首を傾げつつも受け取る。
何かと視線を落とせば、そこには桜の刺繍が施された[合格祈願]と書いたお守りがあった。



