何気なく視線をそちらに向けると──
「……っ!」
空を彩る光の雨に横顔を照らしながら、隣にいる有斗がわたしを見ていた。
視線が合った瞬間、有斗は慌てたように花火を仰ぎ見る。
その耳は、花火に照らされてわずかに赤く見えた。
息が、止まるかと思った。
目を細めて、口角をわずかに持ち上げて。初めて見る表情で、有斗はわたしを見据えていた。
あまりにも穏やかな眼差しには、はっきりと『愛おしい』という感情が見て取れたような気がして。
「……いつまで見てんだ。花火見ろよ」
視線に耐えられなくなったのか、わたしの耳に顔を寄せ、有斗が苦々しそうに言う。
そうして離された顔にはやっぱり照れが混じっているように見えて、わたしの心臓は花火の音とは違うリズムを刻み始める。
わがままで自信家で、いつだってわたしは振り回されてばっかりで。
わたしに見える有斗の感情と、ドラマや漫画で知る恋心ってやつが何となく重ならなくて、状況を飲み込み切れていない気がしていた。──でも。
「……っ!」
空を彩る光の雨に横顔を照らしながら、隣にいる有斗がわたしを見ていた。
視線が合った瞬間、有斗は慌てたように花火を仰ぎ見る。
その耳は、花火に照らされてわずかに赤く見えた。
息が、止まるかと思った。
目を細めて、口角をわずかに持ち上げて。初めて見る表情で、有斗はわたしを見据えていた。
あまりにも穏やかな眼差しには、はっきりと『愛おしい』という感情が見て取れたような気がして。
「……いつまで見てんだ。花火見ろよ」
視線に耐えられなくなったのか、わたしの耳に顔を寄せ、有斗が苦々しそうに言う。
そうして離された顔にはやっぱり照れが混じっているように見えて、わたしの心臓は花火の音とは違うリズムを刻み始める。
わがままで自信家で、いつだってわたしは振り回されてばっかりで。
わたしに見える有斗の感情と、ドラマや漫画で知る恋心ってやつが何となく重ならなくて、状況を飲み込み切れていない気がしていた。──でも。



