「ははっ、美月先輩顔真っ赤」

「なっ……谷瀬くんのせいでしょう!?」


からかわないで、と谷瀬くんの腕をぱしっと叩く。

じろっと並んでみても彼は楽しそうに笑うだけで、わたしも思わず笑ってしまう。

そうしているうちに順番が来て、わたし達は無事に焼きそばを買うことができた。


集合場所に向かうと、ちょうど焼きとうもろこしを持った真由美ちゃんもやって来た。


「あれ、メグちゃん、まだ来てないの?」

「そうみたい。りんご飴買いに行くって言ってたから、てっきり待たせちゃってると思ってたんだけど……」

「さすがにこの距離だと迷子にはならなそうですもんねぇ」


待ち合わせ場所の木と、りんご飴の屋台は目と鼻の先だ。

3人で喋って待っていると、たこ焼きを手にこちらにやってくる有斗と菊池が見えた。


おや。有斗、随分と楽しそう。

珍しい光景に目をぱちぱち瞬かせて、気付く。メグちゃんも一緒だ。

真っ先に首を傾げたのは真由美ちゃんだった。


「メグちゃんもたこ焼き買ったの?」