「ほんと、不必要な居心地の悪さを強いてごめんね」

「いいって。俺、別に気にしてねぇし。どれだけ牽制されようが、秋山とは友達だから普通に喋るし」

「……菊池に宝くじが当たりますように」

「はは、何だそれ」


自己紹介も済んだし行こっか、というメグちゃんの声がけで、一行は花火の見える河川敷を目指して歩き始める。

先頭に菊池と谷瀬くん、その後ろに真由美ちゃんとメグちゃん、最後尾にわたしと有斗がそれぞれ並んで歩いた。


「河川敷に近づくと、人も多くなってくるね」

「まぁ、この辺りだと一番よく見える場所だからな」


わたし達が話していると、不意にメグちゃんがこちらを振り返った。


「ねぇ、もしよかったらなんだけど、神崎くんもグループチャット入ってもらえない?」

「……なんで?」

「これから人がもっと増えるでしょ? 万が一逸れちゃったら困るじゃん。それに、電波も繋がりにくくなるだろうから、連絡先は一つでも多いほうがありがたいし」