「やれば出来る子なんだったら、ちゃんとみんなと仲良くするんだよ。特に、菊池や谷瀬くんに絡まないようにね」
「……わかってるよ」
片眉を上げて言うと、有斗は苦虫を噛み潰すような顔でぼそりと返答した。
本当にわかっているのやら。
ともあれ、もうすぐ家を出る時間。
ひと足先にお母さんに着付けしてもらった浴衣を見に纏い、わたし達は家を出た。
「えーっと……今更紹介するまでもないと思うんだけど、神崎有斗くんです」
せっかくだから持っている人は浴衣を着よう、という誰かの提案は、全員に浴衣を着せたらしい。
集合場所には、浴衣姿のみんながいた。
一頻りみんなの浴衣姿を堪能したタイミングで、みんなに有斗を紹介する。
着くまでに口酸っぱく言ったおかげか、有斗はわずかに頭を下げた。
「有斗も来たいって、無理言ってごめんね」と言い添える。保護者かわたしは。
「ぜんぜん大丈夫だよ〜。5組の上原芽です。美月ちゃん達からは、メグって呼ばれてるから好きに呼んでね」
おぉ、すごいメグちゃん。
普通なら、みんな有斗のオーラに気圧されるのに……初っ端から普通だ。
同じ感想なのか、真由美ちゃんも少し驚いた様子でメグちゃんを見てる。
「……わかってるよ」
片眉を上げて言うと、有斗は苦虫を噛み潰すような顔でぼそりと返答した。
本当にわかっているのやら。
ともあれ、もうすぐ家を出る時間。
ひと足先にお母さんに着付けしてもらった浴衣を見に纏い、わたし達は家を出た。
「えーっと……今更紹介するまでもないと思うんだけど、神崎有斗くんです」
せっかくだから持っている人は浴衣を着よう、という誰かの提案は、全員に浴衣を着せたらしい。
集合場所には、浴衣姿のみんながいた。
一頻りみんなの浴衣姿を堪能したタイミングで、みんなに有斗を紹介する。
着くまでに口酸っぱく言ったおかげか、有斗はわずかに頭を下げた。
「有斗も来たいって、無理言ってごめんね」と言い添える。保護者かわたしは。
「ぜんぜん大丈夫だよ〜。5組の上原芽です。美月ちゃん達からは、メグって呼ばれてるから好きに呼んでね」
おぉ、すごいメグちゃん。
普通なら、みんな有斗のオーラに気圧されるのに……初っ端から普通だ。
同じ感想なのか、真由美ちゃんも少し驚いた様子でメグちゃんを見てる。



