「和泉、睨めっこしない?」
「えっ。やだけど」
「私なら和泉に勝てる自信がある!」
「いや、ここ人通り多いからさ」
「恥ずかしいんだー?」
「二人っきりになったらしてもいいよ」
「ちょっと! 人がいるとこでやらなきゃ睨めっこの意味ないじゃん! 和泉に睨めっこで勝った女で表彰されたい!」
「やっぱり夢咲って面白い。正直、お笑い芸人目指してるタカより面白い」
「えっ。タカちゃん悲しむじゃん! よく和泉、一番タカが面白いって言ってるのに」
「タカには内緒」

気付いたら和泉と帰る流れになっちゃったな。

でも、たまにはこんな日も悪くない。

「そういえば、和泉ってこっち方面だっけ」
「一応、今日は元カレ襲撃あった日だし」
「えっ。さっき絶対大丈夫って」
「一応念には念を入れてさ。夢咲に何かあったらって思ったら心配で安心して帰れないし」
「大丈夫、箒あるし!」
「そういえばまだ持ってたか。危ないよ?」
「持ってるだけで強くなれる気がする! ほら、ゲームの序盤のひのきぼうでもあるだけ安心っていうかさ!」
「明日ちゃんと学校に返そうな」
「うっ。私の相棒になってきたのにっ」

でも、本当言うと一人で帰るのちょっと不安だったからありがたいな。

今迄付き合ってきた彼氏達より和泉のが私を大事に扱ってくれるんだなぁ。

一体、今迄の彼氏って何……?