無駄に大きなベッドの上で、わたしと未希と健太で輪になって座った。

 真ん中には飲み物とお菓子の乗ったトレー。今夜はパジャマパーティーだから、普段着の健太にはナイトキャップをかぶせておいた。

(こういうのは雰囲気大事だし)

 そんなおかしなことにこだわるくらい、わたしは動揺してたんだと思う。

「ケンタって、ほんとに弟の健太なの?」

 いや、今も弟なんだけどさ。やっぱわたしかなり動揺してる。

「うん、姉ちゃん。俺、中身は森健太」
「うわっ、そのしゃべり方! やっぱ本物の健太だっ」

 感動のあまり抱きついた。
 健太も照れくさそうに背中をポンポンしてくれる。

「やっぱりね、そうじゃないかってちょっと前から思ってたんだ。飲み物こぼれる。いいから華子は今すぐ落ちつけ」

 未希ちゃん冷たいっ。
 感動の再会じゃん。って顔は毎日合わせてたけど。

「でも未希はどうして健太に記憶があるって分かったの?」
「さっきも言ったけど、健太はあのゲーム……『トキメキずっきゅん♡ピュアLOVEドキドキ☆マジカル学園』のプレイ経験あったからね」

 健太ってば乙女ゲームなんかやってたんか。
 ってか、タイトルダサっ。