断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「あの、お怪我はございませんか?」
「ご心配には及びませんぞ。日々散歩で足腰を鍛えておりますからな」

 その割には足取りヨボヨボなんですけど。

「心意気には感謝しますがな、もう少しご自分を大事にしなされ。この老いぼれのせいで希望ある若者の未来が絶たれたとあっては、良心が痛みますゆえな」
「ご年配の方々がこれまで国を支え導いてくれたからこそ、今の平和があるのですわ。その方々を大事にしないわけには参りません」
「かーっかっか、これはうれしいことを言ってくださる。この国の未来は明るい、いや素晴らしきことかな」

 このままじゃわたしはお先真っ暗だけどね。

「そろそろ授業が始まる時刻、もうお行きなされ。わしも散歩に戻るとしますのでな」

 ヨタヨタと行ってしまったおじいちゃん先生を見送って、わたしも馬車に乗り込んだ。

 ケンタが来てくれなかったら危なかったな。
 これからはもうちょっと気をつけよう。

 このあと普段通りに授業をこなして、そんなことがあったなんて忘れてしまっていたんだけど。

「いたっ」
「ハナコ様、どうかなさいまして!?」
「いえ、紙で指先を切ってしまったわ」

 といってもちょっぴり血が出たくらい。
 絆創膏でも貼っておけばすぐ治っちゃう感じの浅い傷だ。