断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「留学の件は王家がすべてバックアップする。ハナコは安心してイタリーノへ行ってくれ」
「シュン様……」

 山田、本当にわたしの身を案じてくれてたんだ。嫌われてでも反対してきたくらいだし。
 それなのに早急に見限ってやるだとか言って、なんかごめんって感じ。

「ハナコ」

 なんだか山田の声が震えてて、見たら今にも泣きそうな顔してた。

「わたしも男だ。約束したからには潔くハナコをあきらめよう。だが遠く離れていても、ハナコのしあわせはこれからも願わせてくれ」

 続きをためらうように、山田は一度言葉を切った。

 ああ、あのときの山田もこんな顔してたっけ。
 好きな相手にフラれるのって、ほんとキツイよね。受け入れてもらえない事実を、なかなか認めらんないし。
 ふいに日本で山田を振ったときを思い出して、ぼんやりとそんなことを思ってた。

「女々しいことを言っている自覚はあるのだが……最後にハナコを抱きしめさせてはくれまいか? それを許してくれたら、わたしはこの先迷わず進んでいける」

 そこまで言われちゃったら、わたしもうなずくしかないわけで。
 それで踏ん切りがつくのなら、最後くらいやさしくしてあげたってかまわないよね?
 笑顔で両手を広げると、膝をついた山田はぎゅっとわたしを抱きしめた。背中に回った腕がちょっと苦しいくらい。