断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

 負けた割には山田の態度、拍子抜けするくらい今まで通りって感じ。
 もうちょっと悔しがってもよさそうなのに、やっぱそこまでハナコに執着してなかったのかな?

「ハナコ嬢はあとでわしがモッリ家まで送ろう。なに、転移魔法でひとっ飛びじゃ」

 リュシアン様にウィンクを飛ばされる。
 お言葉に甘えて、ありがとうございますとだるい体を椅子に預けた。

「それにしても、ハナコ嬢は限界ぎりぎりだったゆえ、いつ止めようかと判断に迷ったわい」

 リュシアン様、思いとどまってくれてありがとう。
 決闘中に止められてたら、今日の結果は出せなかったろうし。

「いや、最後まであきらめなかったハナコ嬢の心意気は、まことに見事であった。僅差だったとは言え、シュン王子は完敗じゃったな」
「勝敗を分けたのは己の慢心であったと……そう、痛感しています」

 後悔がにじむ山田を慰めるように、ビスキュイが鼻先を押しつける。その頭をひとなですると、山田は静かに見下ろしてきた。

「負けたからには従おう。今後ハナコは自由にするといい」
「ではイタリーノへ行ってもよろしいのですね?」
「ああ。こうなった以上、ハナコがイタリーノで安全に過ごせるように、わたしは全身全霊をかけてイタリーノ国との外交に(のぞ)むのみだ」

 え? イタリーノってそんな危険なことになってんの?
 山田が留学を止めてきたのは、単純にハナコを遠くに行かせたくないっていう理由じゃなかったんだ。てっきり私情からだと思ってたのに。