断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「ハナコ、起きていて大丈夫なのか?」
「ええ、シュン様をお迎えするのに臥せっているわけには参りませんもの」

 そう思うなら見舞いなんぞに来るな。

「とっておきの紅茶を用意しましたの。さ、どうぞおかけくださいませ」

 猫をかぶり一応の笑顔を向けた。さてどう話を仕向けるか。
 客間で山田とテーブルを囲む。

 って、なぜとなりに腰かける?

「しゅ、シュン様、お席はどうぞあちらの上座に……」
「いや、駄目だ。そんな青い顔をしているハナコをひとりでは座らせられない」

 ちーかーいー! これは寝不足なだけだ。
 手を取るな、肩を抱き寄せるな、そしてさりげなくにおいをかぐなっ。

「シュン様、これでは紅茶が飲めません」
「そうか……そうだな」

 ちょっと落ち込んだ感じで、山田はようやく体を離した。

 ほっとして紅茶を含む。山田をブロックするためにカップを手にキープした。

(ヤバい。今頃になって眠くなってきた……)

 あくびが出そうで何度も紅茶に口をつけた。
 空になったらカップを置かないと不自然なので、とにかくちびちびちびちび飲むことにする。

 令嬢としてちょっとはしたない飲み方だ。
 けど山田が幻滅すればラッキーじゃない?