それはさておき、問題は明日のお茶会だ。ロレンツォにはサシ飲みするとは言ってないから、大勢集めてうやむやにしようかな。
 マサトのヤツも来る気満々だったし、この際だから健太もゆいなも巻き込んじゃおうっと。

「そういうわけで、ゆいなと健太も明日放課後裏庭に集合ね」
「え、俺、生徒会の仕事あるから無理だって」
「大事な姉ちゃんが困ってるのよ? 一日くらい融通利かせなさいよ」
「理由言ったら許可出るかもだけど……そんときはシュン王子もついて来ると思うよ?」
「そ、それはダメ!」

 山田までいたら、余計にややこしいことになっちゃいそう。
 王子同士でバトったりしたら、国際問題になりかねないし。悪役令嬢のくせに、ハナコってば罪なオンナだよ。

「分かった。健太は生徒会室で山田を足止めしてて。ゆいなはお茶会に出席ね」
「えー、ゆいなだって生徒会があるのにぃ」
「どうせお茶くみ要員で、仕事なんかしてないんでしょ?」 

 昔からめんどう事があると、要領よく逃げ回っていたじゃない。

「ゆいな。あんたさ、モッリ家に(とつ)ぐ気でいるのなら、わたしと仲いいとこアピールしといた方が都合がいいんじゃないの?」