断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「なぁ、ハナコ。俺が言った通り、召喚札持ち歩いてるか?」
「ちゃんと持ってるわよ。ほら、これ」
「お、エライぞハナコ」

 ちょっと、なに頭なでてんのよ。わたしは小さい子供じゃないっつうの。
 なんて感じに歩いていたら。
 げっ、昇降口でロレンツォが壁にもたれかかって待ってるし。

「やっと来たな、ハナコ」
「あら、ロレンツォ様、ごきげんよう」

 目が合っちゃったから逃げるわけにもいかなくて。
 挨拶だけして横を素通りしようとした。

「待て」

 なに人の二の腕つかんでるのよ。
 このゲームの攻略対象、なんでこんなに強引なヤツばっかりなん?

「おい! ハナコから手を離せ」
「なんだ、貴様(きさま)は?」

 ロレンツォの手首をマサトががっちりつかんだ。
 バチバチとにらみ合うふたり。ってか、こんなとこで問題起こさないでっ。

「ハナコは今から帰るところだ」
「この俺様に物申すというのか? シュンの腰ぎんちゃく風情(ふぜい)が」
「なんだとっ!」
「やめなさい、マサト!」

 カっとして手を振り上げそうなマサトを止めてから、ロレンツォに冷たい視線を向けた。