断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「初めてお城に行く以前に、わたくしシュン様とは何度もお会いしておりますわ。ですからそのお話はリュシアン様のお記憶違いなのでは……?」
「ハナコ嬢はまだ幼かったゆえ、覚えていないのも無理はない。あの日は確かモッリ家の長男坊の五歳の顔見せがあってな。ハナコ嬢も一緒に登城しておったのじゃ」
「ケンタの顔見せで?」

 確かにヤーマダ王国では跡取りが五歳になったとき、王様の元に連れて行くっていうしきたりがあるけど。
 そのときすでに、わたしは山田と会ってたってこと?

「疲れてしまったのかハナコ嬢はずっとソファに寝かされていてな。主役の長男坊はそっちのけで、シュンはずっとハナコ嬢の顔を覗き込んでおった」
「ご挨拶に伺ったのに、わたくしずっと眠っていたのですか?」
「なに、気にせんでも子供あるあるじゃ。あの日のハナコ嬢はわしの目から見ても天使のような寝顔じゃった」

 ふぇっ。
 それを見た山田がわたしに一目ぼれしたってわけ?

「それでモッリ公爵が帰る段になったときに、シュンがハナコ嬢だけは置いて行けと言い出しおってな」

 は? 置いてけって、わたしはモノじゃないんだから。