断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「わふん!」
「ビスキュイ!」

 茂みから飛び出してきた大きなモップ犬を、とっさに全身で受け止めた。
 ビスキュイがいるってことは、やっぱりここってお城なんだな。
 ってかビスキュイ、メイク崩れるからあんま顔舐めまわさないでっ。

「なに? ついて来いって言うの?」

 スカートのすそをひっぱってくるビスキュイに連れられて、庭の小路を進んだ。
 しばらく行くと、夏に招かれたときにお茶したテーブルが見えたんだけど。
 その椅子のひとつで、身なりのいい男の人が本を読んでいる。理事長かと思ったら、それはなんと保健医のヨボじいで。
 ビスキュイがヨボじい目がけて走って行って、わふんっと大きくひと鳴きした。顔を上げたヨボじいが、わたしに気づいて手招きをしてくる。

「ハナコ嬢、良く来られましたな」
「先生も理事長にお呼ばれになったのですか?」

 首をかしげると、ヨボじいは意地悪い感じでふっと笑った。なんだからしくないんですけど。
 いつもの白衣じゃないから、そんなふうに感じるのかも?
 まぁ、お城に招かれたんじゃ、ちゃんとした格好してないとマズいよね。