断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「ご、ごめんなさい。わたくし、置物かと勘違いしてしまって」
「まぁ、いい。我が名はアーサー、リュシアンの使い魔だ。以後忘れるな」
「アーサー……様ですわね」

 一応敬語にしてみたけど、対応は間違ってなかったみたい。アーサー、うむってうなずいてるし。
 使い魔って気位が高くって、従う相手を選ぶらしい。魔力が強くても誰彼なく使役できるものじゃないんだ。理事長、さすがは元国王って感じだな。

「リュシアンならその転移サークルの向こうにいる。さっさと行くがいい」

 広げた片翼の先の床に、魔法陣が描かれていた。
 これは転移サークルって言って、決まった場所を行き来する個人用の転移門。

「こちらはどこに通じているのでしょう?」
「何、行けば分かる」

 そっけないアーサーの言葉に押されて、サークルの真ん中に立った。
 魔法陣の文字が輝いて、眩しさに目をつむる。光の柱が立ち昇るのと同時に、特有の浮遊感に包まれた。

 次に目を開けたときは、転移先の魔法陣の上にいて。
 さわやかな風が花の香りを運んでくる。見回すと、色とりどりの薔薇の花が揺れていた。

(あれ、ここって……?)

 まさかって思ったけど、やっぱり見覚えのある庭園で。
 とりあえず理事長を探すしかないか。