断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「すまない、本当に何でもないんだ。自分の負担を軽くするためにハナコ嬢に無理強(むりじ)いするなど……やはりあってはならないことだ」

 わたしに無理強いを?
 なるほど。ポンコツと化した王子の穴埋めが大変だから、ダンジュウロウもわたしに折れろって頼みにきた口か。

「悪いが今の言葉は忘れてくれ。王子の偉大さを思い知らされたからと言って、打ちひしがれている場合ではないな」

 力なく笑ったダンジュウロウの顔、もはや土気色なんですけど。
 だからと言って、わたしが山田を許すのはまた別の次元の話なわけで。
 ダンジュウロウも忘れろって言ってるし、ここは遠慮なく聞かなかったことにしようっと。

「良く分からないけれど、ダンジュウロウ様がそうおっしゃるのなら……」
「ああ、そうしてくれ。なに大丈夫だ。卒業まで一睡もしなくとも人間死にはしない」

 いや、死ぬって。

「ときにハナコ嬢、今日は他に誰も連れていないのだな」

 誰もって、取り巻き令嬢のこと? 
 最近は無理に拘束しないよう気をつけてるんだってば。

「ええ。それが何か?」
「いや、学園内ではできる限りひとりにきりにならないでくれ。でないと余計にシュン王子が……」

 山田がどうだっていうのよ?
 わたしの不機嫌な空気を察知したのか、ダンジュウロウは口ごもった。
 君、わりと常識人だよね。そんなトコは嫌いじゃないよ。
 だけど山田がわたしの何を心配しようと、こっちの知ったこっちゃないんですけど?