「ちょっと未希、どういうこと?」
「はぁ、仕方ないわね。本当のこと言うと、前世でこの子とトラブって階段を落ちたあと、華子、あんたは死ななかったのよ」
「は? 死ななかった?」
「そ、運よく軽傷で済んでね」
「うそ、わたし何も覚えてないし」

 思わず健太を見ると、その健太は未希と目を見合わせてた。

「やだぁ華子先輩、やっぱあのときゲームのハナコと中身入れ替わってたんだぁ」

 はぁ!? 長谷川、今なんつった!?

「俺もびっくりしたよ。慌てて病院に駆けつけたらさ、いきなり姉ちゃん自分は公爵令嬢だなんて言い出すんだもん」
「そうよね。あんときはさすがのわたしも動揺したわ」
「なにソレ……階段から落ちたあと、ゲームのハナコがわたしとして生きてたってコト?」

 未希と健太に同時にうなずかれて、返す言葉を失っちゃった。

「うちらもしばらくの間は、華子の身に何が起きたのかさっぱり分からなかったんだけどさ」
「ある日ゆいなが心当たりがあるって言って、ゲームの画面を見せてきたんだ」
「ゲームの画面ってもしかして……」
「そ、『トキメキずっきゅん♡ピュアLOVEドキドキ☆マジカル学園』のプレイ画面ね」

 そのタイトル、クソ真面目に言わないでっ。