で、健太とユイナこと長谷川は仲良く並んで床に正座。
 その正面に未希とわたしが仁王立ちして尋問タイムが始まった。

「まず初めに確認しとくけど。健太はゲームに取り込まれて今こうなってるわけじゃないのね?」
「うん、この状況は森健太としての俺の意思」
「分かった」

 すんっとした表情のまま、淡々と未希が質問していく。
 未希の場合、このモードがいちばん危険なんだよ。健太、理由によってはとんでもない目に合わされるかも。
 っていうか、未希の鉄拳と電撃受けてすでにズタボロだったっけか。

「健太くんかわいそう~。いま、ゆいなが回復魔法かけてあげるね。いたいのいたいの飛んでけ~っ」
「わっ、ゆいな、ちょっと待っ……いってぇええぇえっ!」

 ぎゃっ、未希お得意の「回復魔法かけると傷が悪化する呪い」まで使ってるっぽい。
 これって未希にしか解除できないらしくって。よからぬ組織の手に渡ったら、間違いなく悪用されるヤヴァいヤツ。

「すごぉい、ゆいなも呪い(ソレ)やってみたい! 先輩、やり方教えてもらってもいいですかぁ?」
「高いわよ」
「やだ、がめつい~」

 長谷川ってば、あの未希相手に挑戦者(チャレンジャー)だな。
 ひぇっ、未希がますます能面化してるっ。横にいるわたしが怖いから、それ以上挑発するなっつうの。