「姉ちゃん、どうしてそんなにシュン王子のこと毛嫌いするかなぁ」
「だって大衆の面前でいきなりキスしてくるようなオトコなのよ? 瓶底眼鏡だし、目つきは極道だし」

 いくら王子でも無理に決まってるじゃんか。
 ってか、なんで健太ってばいつまでたっても山田推し!?

「それにわたしは好みのイケメン見つけて、これからの人生謳歌(おうか)するんだからっ」

 前世で叶えられなかった夢、絶対この手に掴むのよ!
 それだけは何があっても譲れない。でないと生まれ変わった意味ないし。

「あー、だったらこれからは王子回避対策だけ頑張れば?」
「え、なんか未希、投げやりになってない?」
「だってあんたの命の心配なくなったし。もう協力しなくたって大丈夫でしょ?」
「だね。あとは姉ちゃんとシュン王子の問題ってことで」
「そ、そんな、健太までっ」

 ギロチン回避と引き換えに、協力者を失っちゃうなんて……!

 もういいわよ!
 ここからは山田とサシで勝負してやるっ。