メイドに緑茶を所望して、いつも通り人払いを済ませた。
 ってなわけで、令嬢モードは解除ってことで。

「華子、あんたほんとノーダメージって感じね?」
「わたしだってはじめは落ち込んだんだよ? でも今はむしろ腹が立ってしょうがないって感じ」
「そ。ま、あんたらしいわ。で、これからどうすんの?」
「もうめんどいからこのまま退学しちゃおうかな……」
「でも王子に恥をかかせたまんまだと、モッリ公爵家の立場が悪くなるんじゃない?」

 ああ、そうか。ケンタの将来もかかってるなら、もう少し大人の対応しないとなんないのか。
 それ考えると、ギロチンエンドなんてさらにマズいんじゃ。ゲームの世界って言っても、わたしが死んで終わりって訳にはいかないだろうし。

「俺のことなんていいからさ。今は華子姉ちゃんのことだけ考えよう?」
「健太……」

 ってか、いきなり部屋に転移してこないでっ。
 ここ姉ちゃんのプライベートゾーンだかんねっ。

「ねぇ健太。山田っていまどうしてるの?」
「見た目は淡々と過ごしてる。けど、相当落ち込んでるっぽい」

 ふん、自業自得だし。同情なんてしてやらないんだから。
 でもヨボじいの言ってた通り、今回の件でわたしに非はなさそうでよかった。これで断罪されたらたまったもんじゃないしね。