断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「愛しい白雪姫。どうか目を覚まし、その瞳にわたしを映しておくれ」

 ユイナが眠る棺をのぞき込む山田。その瓶底眼鏡がどんどんユイナの顔に近づいて。

 観衆が固唾(かたず)を飲んで見守る中、山田の動きがガキンッって感じで不自然に止まった。
 なんだか見えない力に(あらが)っているふうなんですけど。

 お、いいぞ。キスのフリで済ますところを、ユイナが可愛すぎてマジキスしたくなってるんだな。
 ビバ、ゲームの強制力!
 そのままイベント通りにコトが運んでくれ!

 ん? なんだか山田、思いっきり歯を食いしばってるぞ? しかも棺の(わく)を掴んでる腕が、ブルブル震えて青筋まで立ててるし。
 キスしたいけど理性と戦ってるのかな?
 変に無理したりしないで、遠慮なくユイナにキスしちゃえばいいのに。ほら、観客席もおかしな空気になってるよ? 

「ハナコっ!!」
「は、ハイぃっ!」

 突然山田に叫ばれて、思わず返事をしちゃってた。
 ってか、なにが起きたのっ。いきなりわたしの席にスポットライトが当てられたんですけどっ。

「わたしはっ、ハナコ以外、認めない……っ!」