断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

『むかしむかし、さむい真冬のことでした……』

 冒頭部分はナレーションに影絵って感じで始まった。
 この声はダンジュウロウだな。クソ真面目に童話を朗読してる絵面(えづら)を想像すると、なかなかシュールで笑えるんですけど。

 白雪姫を生んだお妃様が亡くなって、後妻のお妃様を迎えたところで影絵は終了。
 一度暗転した舞台に、スポットライトが当てられた。背中を向けたお妃様が大きな鏡の前に立っている。
 アレもダンジュウロウなんだよね。残念。女装をたのしみにしてたのに、背を向けたまま顔を見せないで乗り切るつもりみたい。

「鏡よ鏡、この国でいちばん美しいのは誰かをお言い」
『この国でいちばん美しいのは、お妃様、あなたです』

 両腕を大きく広げて、鏡に問うダンジュウロウお妃様。声はユイナの吹き替えっぽい。
 鏡の精は我らが健太。演出で鏡が魔力で輝くけど、ここは声だけの出演の模様。

 嘘をつかない鏡に同じ質問(こと)をたずねては、返って来る答えに満足してたお妃様。それが白雪姫が成長するにつれて……。

「鏡よ鏡、この国でいちばん美しいのは誰かをお言い」
『この国でいちばん美しいのは、白雪姫です、お妃様』

 舞台の(はし)に別のスポットライトがぱっと当たった。そこには白雪姫のユイナがいて。
 指にとまった小鳥と無邪気にたわむれる白雪姫。さすが腐ってもヒロインだな。観客席から感嘆のため息が漏れてるし。