「そんなこと言わずにさ、姉ちゃん、シュン王子に頼んで見せてもらいなよ」
「健太、あんたなんでそんなに山田にこだわんのよ?」

 ん? どうしてそこでまた未希の顔を伺うんだ?
 このふたり、なんかわたしに隠してる?

「でも、ま、そうね。華子はシュン王子の素顔を確認すること。コレ、華子の必須課題ね」
「もう! なんで未希までそんなこと言うの!」
「なんでって、ただの興味本位?」

 面白がってるだけ!?
 ってか、山田の顔知ったところでどうするつもりっ。

「そうすれば健太も納得するでしょう?」
「うん、する」
「なんでそこで健太(あんた)が出てくんの?」
「いいからいいから。健太はユイナと接触して情報収集。華子は回復次第、王子の顔を拝むこと。これ今日の会議の決定事項ってことで」
「えー」

 ぶーたれた顔をすると、未希が途端にすんってなった。

「……華子、返事は?」
「全力で了解いたしましたっ」

 病み上がりの親友にこの仕打ちっ。

 やっぱ未希ちゃん、いちばんコワイっ。