「ユイナは最近どうしてるの?」
「生徒会では相変わらずかな。誰彼なく細かいイベントこなしてる」
「まったくやる気がないわけじゃないみたいね」
「俺、思うんだけどさ。もしかしてユイナもゲームの強制力で動かされてるんじゃないのかな?」
「ユイナも強制力で……?」

 その線は考えたことなかったな。でもイマイチ納得できなくって。

「わたしから見ると、ユイナって自分の意思で動いてるように思えるけど」
「華子の話聞いてるとわたしもそう思う」
「未希姉ぇも? なんで?」
「だってあの子がいちばんゲームから()れるような行動とってるし」
「しかも率先してやってる感じする」

 うーん、とみんな同時に首をひねった。
 こんなへんてこな世界じゃ、三人寄っても何の知恵にもならないみたい。

「結局ユイナってどうしたいんだろ? そもそも最初に階段落ちのイベントを起こそうとしたのはユイナでしょう? なのにここに来て山田とのイベントボイコットするなんてさ」

 はじめっから王子ルートを狙ってたとしか思えないのに。

「華子、そのことなんだけどさ……健太と覚えてるゲーム内容のすり合わせしたんだけど、やっぱりあの子おかしいのよ」
「おかしいって何が?」

 ユイナがおかしいなんてことは、とっくのとうに知ってるし。
 それにしちゃ、やけに未希の顔が神妙だ。