断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

「ユイナ、転移門酔いしちゃって。それでちょっと休んでただけです」

 転移門はこの世界の移動手段。離れた場所に行きたいときによく使われてる。
 要所要所に置かれた門から門へ移動できちゃう優れもの。大人数でもオッケーな上、時間もほとんどかからないんだ。
 ただ空間を捻じ曲げて飛ぶらしくてさ。人によっては乗り物酔いするのが玉にキズって感じ。

「もうすこし休みたいんで、わたし先に失礼します」
「まぁ、それは大変。早く良くなるといいわね」

 ねぎらいの言葉をかけたのに、胡散臭そうに見るなっつーの。

 このあと大イベントを控えてるんだから、ユイナにはゆっくり休んでもらわないと。
 それにユイナが戻る部屋には、仕込みの手紙が待っている。さっさと読んで、一刻も早く山田とキャッキャウフフな仲になってくれ。

「……これでお膳立ては完璧ね」
「ええ、そうですわねハナコ様」

 あとはゲーム進行に任せるだけだ。ユイナの背を見送って、今度こそ大浴場に足を踏み入れた。
 脱衣所で服を脱ごうとしたら、なぜか未希がそれを止めてくる。

「少々確認してまいりますから、ハナコ様は今しばらくお待ちください」

 服を着たままの状態で、未希はひとり浴室に入っていった。かと思ったら、すぐこっちに戻ってきたし。