断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

 出来栄えは上々。ぱっと見、本人の字にしか見えない仕上がりに。
 念のため手紙には時間が経つと文字が消える紙を使ってる。証拠は残らないし、あとから別人が書いたってバレることもないってわけ。

 山田からもらった手紙とか花束に付いてたメッセージカードとか。捨てないでとっておいて本当にヨカッタよ。
 こんなこと未希にバレたら何言われるか分からないし、とりあえず結果オーライな感じでこのまま一生黙っとこ。

 さぁて、これから温泉につかりに行くんだ。
 ルンルンで大浴場への案内板をたどってく。
 この世界、学園も街並みも西洋風なのに、細かいとこはザ・日本って感じなんだよね。手にしたお風呂セットからしても、修学旅行に来た感ハンパない。

 湯殿入り口の暖簾(のれん)が揺れて、湯上りっぽい女生徒がひとり出てきた。
 と思ったら、ここにきてユイナの登場ですか。

「げ、ハナコ様と取り巻きの……」

 げ、じゃないわい。ソレはこっちが言いたいセリフだし。
 っていうかユイナ、わたしが山田にまとわりつかれてる間、のんきに風呂なんか入ってたんか。

「あら、あなた。先ほどはゲレンデに顔も見せずに、どこで油を売っていたのかしら?」

 副会長のダンジュウロウが決めたスケジュールだよ? 生徒会のメンバーとして、時間守るのがスジってもんでしょうが。