そんな言葉信じられない。


でも、もし男と一緒に行かなかったら殺されるに違いない。



それに助けを呼ぶ勇気もないし……。


まだ近くに友達がいたとしても、巻き込んでこの男に何かされたらきっと私は、その時何もできない。


意を決して、差し出された男の手を掴もうとした、その時。



ぱっくりと開いた、痛々しい傷の痛みに耐えながら、ガタイのいい男は最後の力を振り絞り地面に転がる刃物を握りしめ、立ち上がり、男に向かって刃を振り下ろした。


自分でもよく分からない。

今にも私を殺してしまいそうな男を庇うように、なぜか体が急に軽くなり、咄嗟に彼の前に立つ。



スパッと刃が私の腹を切る。



熱い。



痛みよりも熱、熱よりも……自分の行動に驚きを隠せない。