「お邪魔します……。」
「うん。ど~ぞ~。」
微笑んで中に入れてくれる。
今日は大城くんの妹の宵チャンがいないみたいで家に招待してもらった。
彼女になって初めての大城くんの家。
き、緊張する……
「ふっ、そんな緊張しなくても俺しかいないんだし、リラックスしていいよ。
ここ、俺の部屋ね。どこにでも座っていいよ。」
二人っきりだから緊張するんですよ……っ!!
心の中で叫んだ。
大城くんの部屋に通してもらって座る場所に迷う。
なんとなくベットに座る。
大城くんが飲み物を取りに行ってくれている間にも、なんだか落ち着かない。
ていうか大城くんの家に初めてじゃないのに。
前に付き合う前に一回、アイスクリームが服について着替えを貸してもらうときにお邪魔した。
それで大城くんと同じ音楽のアーティストが好きだって発覚したんだった。
懐かしい……。
前のことを思い出して緊張が薄れてきた時にちょうど大城くんが飲み物をもって入ってきた。
「オレンジジュースでよか……………紅蘭ちゃん?」
こっちを見るなり目を見開いて絶句している。
え……、どうしたんだろう。
不思議に思っていると少し怒った顔をして言ってきた。
「どうかしまし「紅蘭ちゃんさぁー、付き合う前のあの固~いガードどこやっちゃったの。」
「え……?」
固いガード……?ってどういうこと?
確かに付き合う前は大城くんのことあまり好きじゃなかったし、学校の校則は守らないし女の子で遊ぶしで警戒はしてたけど……。
でも今は、そ、そのっこ、恋人なんだしっ?
大城くんのこと大好きだから警戒はしないんだけど、なんで今その話?
理解できなくて考えていると、いきなり視点がグッルンッと回転して気づいたときには踏み敷かれていた。
っえ……っちょ!!
「お、大城くん?」