アカデミーを出てどこに行くのかと思っていると兄貴たちは賑わっている街の方へ向かい始めた

「なんか買いに行くのか?」

「そうゆう訳じゃないがちょっとね」

ちょっと濁された返しに違和感を覚えたがひとまずついて行く

街に着くと人が多くて兄貴たちとはぐれそうになったが幸い兄貴と姉貴は銀髪とこの国では珍しい髪の色が特徴的で見失うことはなかったため迷子になることはなかった
迷子になることなくついて行くと次は人気の少ない路地へと向かっているようだった

「ま、まじでどこに行くんだよ…」

賑やかな所へ行ったと思ったら次は人気のないところ
どこに行きたいのかが全く検討がつかない。そのためか若干怖く感じるようになってきた

「ホープイ、周りに人はいないな?」

「えぇ」

「よし!ルイ、こっちにおいで」

「?わかった」

兄貴に近づくとぎゅっと抱きしめられた

「はぁ!?」

「今から飛ぶから」

とぶ?とぶってなんだよ
兄貴が言った言葉はすぐに理解できなかったでもその数秒後俺ははっきりと理解した

シュンッ

耳の近くを風が掠めた音にびっくりして目を閉じる
次開けた時そこには先程とは打って変わった景色が目に写った

「…ちゃんと着いた見たいね
ルイ気持ち悪かったりしない?」

「あ…おう、大丈夫だ」

そう答えた直後後ろから声が聞こえてきた

「へ〜すごいね、初めてで体調が悪くならないなんて滅多にないよ」

「!?」

声をかけてきた人物に俺は驚きを隠せなかった
声をかけてきた人物は…フューシクト公爵家当主ザンカ・フューシクトだった
ザンカ・フューシクトもまた勇者の仲間だった。そしてアリー…オハイアリイ・フューシクトの父親だ
数回しかあったことのない人だったがよく覚えてるこの人もまたあまり見ない容姿の人だった。アリーは魔法の才こそ父のフューシクト公爵から受け継いでるように見れるが容姿などは母親の金髪と青く輝いた瞳を受け継でる。一方フューシクト公爵は兄たちに似た銀髪と言うよりも白髪に近い月白の色をした髪に真っ赤な瞳と正反対とも思える容姿をしていた。

「ザンカさんこんにちは」

「よく来たね、ブライザー、ホープイそしてルイーファシくん」

「師匠はどちらに居ますか?」

「いつもの書庫。ルイーファシくんを師匠に合わせるんでしょ?僕も着いてっていいかい?気になるんだその秘められた力が…師匠はどう強くするのか…ね
あと魔力登録しといた方がいいと思うし」

「…そうだな…ルイの力はおおよそとしてしか分からない何かあった時大変なことになるからな」

「じゃ、行こうかルイーファシくん迷子にならないようにね」