5歳のとき双子の妹以外の兄弟ができた

初めて見た時思ったんだ…この子は絶対俺が守り抜く。たとえ父さんたちが敵になろうとも…


その日はたまたまアカデミーで教鞭をとっている教師に俺は用があり、ホープイはその付き添いで来た

話が終わり、部屋を後にしようとした時その教師がルイの剣術の授業が今行われていると教えてくれた

「そういえば、弟のルイーファシの剣術の授業が第2グランドで行われてるはずなんですが、この後予定がないなら見ていかれては?」

弟の剣術の授業
滅多に見ることの出来ないこれを見逃すわけに行かないということで急いでホープイと第2グランドへと向かう

着いた頃はほとんど終わりだった
着いて数分勝敗が着いたようだった

「勝者、ジープロディ・エンペント!」

「さすがはジープロディ様!」

「負け無しだな」

「皇帝様の息子だしな」

「だとしても…勇者の息子が入学以来一度も勝てないなんて…な?」

「だよな、なんか期待ハズレって言うか」

「まぁ、親がすごくても子がすごいって訳でもないしな」

周りからそんな声が聞こえてきた

そしてそれに無性に腹が立った

なんで俺の弟がそんな言われ方をしている…
ルイはここにいる奴らよりはるかに力があるはずだった

アカデミーに入る年…12のとき俺の中の聖力つまり女神の力が開花した
そのおかげで自分の能力や、周りの奴らの能力を知ることが出来た

もちろんルイのことも。

ルイは幼いながらにして父さん以上の力を持てるということがわかった
こんなのが周りに知られればルイへの期待は重くなってしまう…それはすぐにわかった

だから俺はこの能力を父さんや母さんには言わずいつも一緒にいるホープイとアレン、それと親友のエフォートにだけ伝えた

それと同時に俺とホープイの得意とするものをルイを守るためにも逆のものにすると言う約束を交わした

ルイの能力は人外といってもいいほどだった
ただ俺達も尋常ではなかった
俺は聖力、ホープイは武術
それぞれ鍛え上げればもの凄いところまで行けるということがわかった

「なんでルイがあんなことを…」

ホープイの言葉でハッと現実に戻った

「ホープイ、こうなってるってこと何か聞いてたか?」

「全くないわ…」

「だよ…な」

俺たちがそんな会話をしながらルイがいるであろう方へ目を向けた

そこに居たのは諦めたような目をする大切な弟と、そのまわりでワイワイする弟の幼馴染で、ほかの勇者の子供達

弟の諦めたような目を見て警告音が俺の中で鳴り響いた

最近ルイと関わったか?
話したか?

ルイとの時間を作りたい
お金を貯めてルイとホープイと何かしたい

その一心でこの5年間俺は働き続け、今の立場を手に入れた

それがいけなかったと実感させられた…

ルイがこんなんなら意味が無い…

後悔に追われながら俺はホープイと共にルイたちのいる場所へと近づき話しかけた

「リール、アリー悪ぃな」

「今日は私たちとの先約があるのよ」

「兄貴!?姉貴!?」

この後悔を無くしたい。
何がそこまでお前を追い詰めた?

それを聞くためにはまず家に帰ることが目標だと思った