《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?

 ——エリアーナは心の中で祈るように反芻した。

「そこまで言うのなら、こちらにも考えがあります。
 使用人たちを解雇する代わりに、エリアーナ。わたくしが不在の間に許可なく屋敷を改造した挙句、使用人たちを(だま)したあなたに、相応の『罰』を与えます——勿論、離縁などさせません」
 
(なんだって?! 嘘でしょっっ!! どうしよう、エリー。やばいじゃん……)

 見えないけれど、ポケットの中のうさぎが声をあげて項垂(うなだ)れたのがわかる。

『離縁などさせません。』

 エリアーナにとって、それはまるで裁判にかけられた囚人が終身刑を言い渡されたのと同じだった。
 つい先ほどまで大きく膨らんでいた希望と意気込みは、針で突かれた風船のようにしぼんでしまう。


 ——覚悟はしていたけれど……。
 離縁したいだなんて、やっぱり簡単じゃなかった。


 ぎろりと睨め付けるロザンヌの鬼の形相がエリアーナの落胆に追い打ちをかける。離縁が許されないとすれば、想像できる結果は最悪なものになるだろう。

 ——生意気なこの嫁に、どんな酷い罰を与えてやろうか……!

 消沈してぺたんと床に膝をついてしまったエリアーナに、ロザンヌが突き刺すような眼差しを向けたとき。


「これは何の騒ぎですか、母上」


 凍りついた空気を貫くように、艶やかな青年の声が『宴の間』に響いた。