奥様、お鎮めくださいまし。
メイドがなだめるが、怒りが頂点に達したロザンヌには無駄なことだ。
「この嫁の戯言に乗り、要らぬことを吹き込んだ者は誰だ! 解雇だ……今すぐ、荷物をまとめて出て行きなさい!」
そばにいたメイドたちが震えあがる。
やり場のない気持ちを使用人たちにぶつけ始めたロザンヌを、エリアーナはすっくと見上げるのだった。
「お義母様、使用人の皆さんは悪くありません。悪いのは、お義母様からの言いつけだと偽って心情を引き出したわたくしでございます。使用人を解雇なさると仰るのなら、その責任の全てはわたくしが負います。お怒りの矛先はこのわたくしひとりに向けてくださいませ」
「なんですって?!」
「皆の代わりに、わたくしがお屋敷を出て行きます。ですから ……アレクシス様とは、離縁させてくださいませ」
——メイドさんたちを巻き込んでしまったのは申し訳なかったけれど。
勝手にお屋敷の内装を変えたり、大切な骨董品を運び出したり。自分の立場もわきまえずに大変な事をしでかした嫁など、離縁ですよね……?
「わかりました。そこまで言うのなら」
———……離縁。
これでやっと、惨めな無能嫁でなくなる……《《もとの私》》に戻れる。
エリアーナは心の中で祈るように反芻した。
メイドがなだめるが、怒りが頂点に達したロザンヌには無駄なことだ。
「この嫁の戯言に乗り、要らぬことを吹き込んだ者は誰だ! 解雇だ……今すぐ、荷物をまとめて出て行きなさい!」
そばにいたメイドたちが震えあがる。
やり場のない気持ちを使用人たちにぶつけ始めたロザンヌを、エリアーナはすっくと見上げるのだった。
「お義母様、使用人の皆さんは悪くありません。悪いのは、お義母様からの言いつけだと偽って心情を引き出したわたくしでございます。使用人を解雇なさると仰るのなら、その責任の全てはわたくしが負います。お怒りの矛先はこのわたくしひとりに向けてくださいませ」
「なんですって?!」
「皆の代わりに、わたくしがお屋敷を出て行きます。ですから ……アレクシス様とは、離縁させてくださいませ」
——メイドさんたちを巻き込んでしまったのは申し訳なかったけれど。
勝手にお屋敷の内装を変えたり、大切な骨董品を運び出したり。自分の立場もわきまえずに大変な事をしでかした嫁など、離縁ですよね……?
「わかりました。そこまで言うのなら」
———……離縁。
これでやっと、惨めな無能嫁でなくなる……《《もとの私》》に戻れる。
エリアーナは心の中で祈るように反芻した。

