《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?

 エリアーナは、座って針仕事をしていたメイドたちに精一杯の微笑みを向けた。
 
「お義母様がお戻りになったので、ここまでで大丈夫です。皆さん、朝から本当にご苦労様でした。あとは私が仕上げておきますから」

 開け放たれた明るい窓辺には、薄地のカーテンが夕風をはらんで軽やかに揺れている。
 昨日まで『宴の間』の窓を豪勢に飾っていた分厚い赤褐色のカーテンは跡形もなく消え失せていた。

「エリアーナ! あなたこの屋敷に何を……?! 気でも触れたのですか!」

「わたくしは正気です。はばかりながら申し上げますが、古いカーテンはカビっぽくて嫌な臭いがしました。壁紙はところどころ色が変わってしまっていましたし、絨毯は染みだらけでした。明るい色は、お部屋も人の気持ちも明るくします。古くなったものは捨てずにお金に換えて寄付をすれば侯爵家の評判も上がりますし、一石二鳥だとは思いませんか?」 

「寄、付……ですって」

 怒りを通り越し、ロザンヌは青ざめる。
 縫かけのリボンを置いて、エリアーナは義母の面前に立った。