《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?

「お二人が戻られたなら、『宴の間』に来るようにと」
「呆れた……。あの嫁はわたくしたちが留守の()を狙って屋敷を台無しにしたばかりか、当主である侯爵にまで指図をすると言うのですか!」

 ロザンヌはわなわなと唇を震わせる。
 夫と踊った幸福な気持ちなど吹き飛んでしまった。
 苛立ちと怒りで我を忘れそうになる。ただでさえあの嫁が(しゃく)にさわると言うのに、いったいどれほど人を失望させれば気がすむのだろうか。

 この状況に戸惑うばかりの侯爵には、ひとまず自室に戻るよう促した。
 ロザンヌが管理を任されているこの屋敷とあの嫁のことで、侯爵家の当主を煩わせるわけにはいかなかった——騒動の《《決着》》は、屋敷の女主人である自分が着けねばならない。


 メイドとともに『宴の間』に向かう途中、ロザンヌの胸をよぎった(いや)な予感は見事に的中した。
 玄関ホールから『宴の間』に繋がる廊下の壁紙と絨毯が、綺麗さっぱり張り替えられている。

 時々友人を招き、ロザンヌが気に入っていたその部屋からは、若い女性たちの楽しそうな笑い声が漏れ聞こえていた。


 ——人をこんな気持ちにさせておいて……
 あの娘は、ここで一体、何をしている!!