「まさか。ビーナスの彫像ですわ!?」
これっ、と大声をあげて男を呼び止める。
女性の裸体を模した彫像をかついだ男が「あ〜?」と気だるげに振り向いた。
「そ……それを……っ、一体どこへやるつもり?」
「あん?」
名だたる彫刻家が彫った貴重な美術品で、ロザンヌが日々うっとりと眺めながら癒しを得ているものだ。
「だから、それをどこへ持っていくつもりだと聞いているのです!」
「どこへって、見りゃわかるっしょ〜 俺の馬車ですよ」
「あなたの馬車ですって!? いったい……どうして」
「あい? 知らないっすけど、こんな古臭い《《ガラクタ》》。もう要らなくなったんじゃないっすかぁ? とにかく持ってけって言われたんでさ〜 」
「ガラ、ク……大切な家宝を……。要らないなどと、誰がそのような事をっ!」
見れば屋敷の裏手から家具や調度品が次々と運び出されてくるではないか。
何が起こっているのかわからず《《ア然》》と立ちすくむ。彼らの真横に、先ほどとは別のヒゲ面の男が何やら四角い大きなものを運んできた。
「あれも、そなたの気に入りの……」
ロザンヌのぽかんと大きく開いた口が塞がらない。
「は……蓮の、絵画ですわ」
これっ、と大声をあげて男を呼び止める。
女性の裸体を模した彫像をかついだ男が「あ〜?」と気だるげに振り向いた。
「そ……それを……っ、一体どこへやるつもり?」
「あん?」
名だたる彫刻家が彫った貴重な美術品で、ロザンヌが日々うっとりと眺めながら癒しを得ているものだ。
「だから、それをどこへ持っていくつもりだと聞いているのです!」
「どこへって、見りゃわかるっしょ〜 俺の馬車ですよ」
「あなたの馬車ですって!? いったい……どうして」
「あい? 知らないっすけど、こんな古臭い《《ガラクタ》》。もう要らなくなったんじゃないっすかぁ? とにかく持ってけって言われたんでさ〜 」
「ガラ、ク……大切な家宝を……。要らないなどと、誰がそのような事をっ!」
見れば屋敷の裏手から家具や調度品が次々と運び出されてくるではないか。
何が起こっているのかわからず《《ア然》》と立ちすくむ。彼らの真横に、先ほどとは別のヒゲ面の男が何やら四角い大きなものを運んできた。
「あれも、そなたの気に入りの……」
ロザンヌのぽかんと大きく開いた口が塞がらない。
「は……蓮の、絵画ですわ」

