《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?

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 王城の回廊を歩いていると、生ぬるい風に頬をなぶられた。
 国王からの呼び出しはいつでも突然であって、その理由はアレクシスの頭を悩ませるものばかりだ。

 魔術学園の学友だった頃から、王太子であった現国王は同年のアレクシスを事あるごとに頼った。

 周囲からの強い推薦を得て王宮の騎士にと望まれ、十六歳で受剣式典を終える頃には武術・体術ともに他を抜きん出ており、王城の剣豪をもうならせた。
 水と氷を扱う魔力と魔術は人並みであったものの、十歳になる頃には大人も音を上げるほど難解な数式を易々と解き、聖職者であっても読解に数年はかかる経典をわずか半年で完璧にそらんじる神童でもあった。

 『国の宝』と称される異能を持つアビス一族の娘との婚約が決まった時は、誰もがジークベルト侯爵家の揺るぎない繁栄を確信したものだ。

 そんなアレクシスが、かつて級友だった為政者に頼られるのは無理もない——それが本人の意向を完全に無視した形であったとしても。