「アルマは俺の命を救った医者の娘で、ジークベルト家の専属医師だ。
幼い頃、俺は身体が弱くてね。両親が有能な医師とその娘をこの離れ屋敷に住まわせて、離れ屋敷で俺の治療をさせていた。
その医者は他界したが、娘のアルマがあとを継いでいる。すぐには信じてもらえぬだろうが……彼女とは、それだけなんだ」
そう言ってシャツをつかんでいるエリアーナの指先を大きな手のひらでさも愛おしそうに包むと、口元に持っていってキスをおとす。
『息子にはアルマと言う情婦がいる。今後はその娘と離れ屋敷で起居するそうだ。』
そう言ったのは義母のロザンヌであって、エリアーナはそれを真に受けたのだ。
——身体が弱かったのは子供の頃ですよね? 情婦ではないのなら、旦那様はどうしてアルマ様と離れ屋敷に寝泊まりをしているの……。
疑問をもっと投げてみたい。アルマという女性の事をもっと知りたい。
けれど、アルマの名を出したとき——何か事情があるのだろう、アレクシスが頬を強張らせたように見えたのだ。
幼い頃、俺は身体が弱くてね。両親が有能な医師とその娘をこの離れ屋敷に住まわせて、離れ屋敷で俺の治療をさせていた。
その医者は他界したが、娘のアルマがあとを継いでいる。すぐには信じてもらえぬだろうが……彼女とは、それだけなんだ」
そう言ってシャツをつかんでいるエリアーナの指先を大きな手のひらでさも愛おしそうに包むと、口元に持っていってキスをおとす。
『息子にはアルマと言う情婦がいる。今後はその娘と離れ屋敷で起居するそうだ。』
そう言ったのは義母のロザンヌであって、エリアーナはそれを真に受けたのだ。
——身体が弱かったのは子供の頃ですよね? 情婦ではないのなら、旦那様はどうしてアルマ様と離れ屋敷に寝泊まりをしているの……。
疑問をもっと投げてみたい。アルマという女性の事をもっと知りたい。
けれど、アルマの名を出したとき——何か事情があるのだろう、アレクシスが頬を強張らせたように見えたのだ。

