エリアーナの途切れ途切れになった呼吸は次第に嗚咽に変わりつつあった。
両手で顔を覆い、弱々しく震える声を放つ。
「もう……じゅうぶんです。あなたに愛されていないって……良く、わかりましたから……」
アレクシスは射抜かれたようにハッとした。
そしてエリアーナの華奢な背中に腕を回し、包み込むように強く、強く抱きしめた。
「エリー……ああ、異能は《《まだ》》発現していなかった」
後頭部を抱え込む凛々しい手のひらの力強さに驚いてしまう。
「俺は君の異能を試した。酷い事を言ってすまなかったね。乱暴な事をしてすまなかった、エリアーナ……!」
抱きしめられている理由も、アレクシスが何を言っているのかもよくわからず。
動揺と混乱で頭がくらくらする。エリアーナはただ茫然と天井を見つめるしかなかった。
*
寝台のフレームに背を預けて座るアレクシスは、エリアーナを膝の上に座らせて、華奢な身体を宝物を抱えるように抱いている。
「どうして。学園に通っていることを黙っていた? 異能持ちでもないのに学園長が入学を許可したのか?」
素肌にシャツ一枚を羽織っただけの逞しい胸板にくっついた頬からは、どくどくと規則正しい鼓動が聞こえる。離れたくてもアレクシスの腕が離してくれないのだ。

