感じるのはアレクシスの柔らかな唇——エリアーナにとっては初めてのキスだ。
最初は触れるだけの優しいものが、次第についばむように角度を変えては触れあった。
見開いた視界に昏く影を落とした青灰色の瞳が重なる。射抜くような視線から逃げるように、エリアーナは、ぎゅ、と目を閉じた。
「…………っ…」
何度も何度も重ねられるそれに、甘い吐息が漏れる。その吐息すらも逃さないとばかりに唇が塞がれていく。
「旦那、様…………んぅっ」
それらは次第に深いキスへと変わる。
アレクシスの舌はエリアーナの口内を犯していく。何度も何度も……まるでエリアーナを《《愛おしい》》と訴えるように激しく、けれど時に、優しく労わるように。
単にエリアーナを孕ませたいだけならば、これほど甘やかな口付けをするだろうかと、酸欠になりそうな呼吸のなかでふと思った。
——嘘よ……こんなのは、きっと嘘。
私を疎んじ、遠ざけてきた旦那様がこんなこと……!

