《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?

「そうかも知れないけれど、毎朝こんなふうに大勢で集まって。メイドさんたちも忙しいでしょうし、みんなにとって時間の無駄だと思うの」

「わたくしたちの仕事でございますので」
「私なら、裏口からこっそり出かけてもいいのだし」

「わたくしたちの仕事でございますので」

 ——前から何度も訴えているけれど、(らち)があかないわね。

 若奥様と呼ばれる立場であっても、要望が聞き届けられる事は無い。ジークベルト侯爵家の屋敷でエリアーナの発する言葉の威力など、夫の愛犬のひと吠え以下だ。


 *


 広大な庭園の中心に位置するロータリーで馬車に乗り込もうとしていたとき、運の悪いことに愛犬を連れたアレクシスと鉢合わせた。

 愛人と住まう離れ屋敷から歩いて本邸に戻るところのようで、シャツ一枚にブレーといったラフな格好だ。