それぞれ名を名乗り、ゆっくりと部屋の中に足を運べば。
広々とした生徒会室には数名の生徒会役員がいて、おのおの好きなことをしているように見えた。
壁沿いにある大きな本棚から本を取り出す者、窓際の小卓で書類と格闘する者、お茶のセットを乗せたトレイをテーブルに運ぶ者……。
ロッカジオヴィネ魔術学園の生徒会長、天下のアストリア国・ジルベール王弟陛下が単なる一生徒のふたりに何の用があると言うのだろう。
エリアーナとアンが部屋を見回していると、中央に置かれた円形の大きなテーブルの奥から声が届いた。
「おっ、十一年生のエリー・ロワイエとアン・レオノールか? また随分と早かったね。私は《《この男》》と話があるから、その辺で待ってて」
声のする方を見れば、声の主である生徒会長と——その隣に立つ、白い騎士服に身を包んだ背高い人影がエリアーナの目に飛び込んだ。
思いもよらない人物の登場に、エリアーナの心臓がどくりと激しく跳ね上がる。
———えっ、えええ……っ

